給与から控除される税金や保険料など、いろんな項目があってよくわからない。

そんな相談を友人から受けたので、他にも同じように思っている方がいるかも、と記事にします。

給与から控除されるお金

給与明細を見ると、いろんな項目で控除(マイナス)されていることがわかります。

  • 健康保険料
  • (介護保険料)※40歳以上の方のみ
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 所得税
  • 住民税

以上5項目が主な控除項目です。

 

ひとつずつ見ていきましょう。

健康保険料

健康保険料と次の厚生年金保険料は、控除の代表的なものなので、ご存知の方も多いと思います。

日本では法律で「国民皆保険」を義務付けられているので、すべての国民が何らかの医療保険に加入しています。

全国健康保険協会(協会けんぽ)や、会社の組合である「〇〇健康保険組合」、派遣社員のための「はけんけんぽ」、公務員の「〇〇共済組合」、自営業者の「国民健康保険」など、働いているところによっていろんな健康保険があります。

 

この保険料は、上記の組織によって違います。

全国健康保険協会は都道府県によって保険料率が変わります。

例えば、東京都の料率を見てみると、

健康保険料=標準報酬月額×9.91%

40歳以上の方は、介護保険料1.65%が加算されますので

健康保険料=標準報酬月額×11.56%

となります。

 

ここで出てくる『標準報酬月額』というのは、通勤手当や役職手当を含む支給金額です。

家族手当や住宅手当なども含まれます。

残業代も含まれます。

この金額の合計を『標準報酬月額』と呼び、各種保険料の計算に使われます。

厚生年金保険料

将来受け取る老齢年金や障害年金、遺族年金のための保険料です。

労働厚生省(日本年金機構)が管理しています。

自営業者が加入する『国民年金』とは別物と考えている方もいらっしゃいますが、厚生年金に国民年金(基礎年金)は含まれているので、厚生年金に加入している方は国民年金にも加入していることになります。

こちらも標準報酬月額によって等級が分けられており、その等級の金額を控除されます。

 

健康保険料と厚生年金保険料は会社と折半です。

つまり会社が半額負担してくれています。

雇用保険料

雇用保険は「強制保険」と呼ばれるもので、事業者は必ず加入しなければならない保険です。

週に20時間以上かつ1年以上の期間働く契約をしている場合は、雇用保険に加入しなければなりません。

給与明細に「雇用保険」の項目がない場合、雇用保険に加入していない可能性があります。

加入していないと、会社の倒産などで働けなくなっても、本来支給されるはずの失業保険が支給されないこともあります。

 

保険料率は賃金の1000分の15.5で、私たち労働者の負担は1000分の6です。

残り1000分の9.5は事業者が負担して支払います。

所得税

源泉徴収とも呼ばれます。

本来はその年の1月1日から12月31日までの所得に課税されるものですが、ほとんどの会社で毎月一定率をかけて算出し、控除しています。

この毎月の控除額合計と、実際の所得に課税される金額との差額を、年末(もしくは翌年1月)に調整するのが年末調整です。

たいてい少し多く控除しておいて、あとから戻ってくるカタチですね。

このときの計算の元になる「所得」には、非課税の通勤手当などは含まれません。

 

会社員であっても、給与以外の所得がある場合は年末調整とは別で確定申告が必要になります。

年収103万円までは非課税なので、それを超えた所得に税金がかかります。

例えば、年収102万円の人は非課税ですが、110万円の人は103万円を引いた7万円に課税されて所得税は計算されます。

住民税

前年(1月~12月)の所得によって計算されます。

住民票がある市区町村によって納税額は違います。

 

会社員の場合、会社が給与から控除し、代理で納付する『特別徴収』が義務付けられています。

パート・アルバイトも同様なのですが、会社によっては正社員のみしか特別徴収していない会社もあります。

 

各個人で納付する『普通徴収』の場合は、年4回の納付期間が決められています。

年間の金額は同じですが、毎月の負担が軽いのは当然12分割の『特別徴収』です。

 

もし給与から控除されていない場合で、特別徴収に切り替えたいなら、会社の給与担当者に申し出るか、各市町村のHPで「特別徴収切替依頼書(※書類名は市町村によって若干異なることがあります)」をダウンロード、もしくは印刷して記入したものを給与担当者に提出すると手続きしてくれるはずです。

※会社印が必要なので、必ず会社を通しての提出になります。

 

小さな会社では特別徴収そのものをしていないこともあります。

(ホントは義務なので、しないとダメなんですけど)

いくつかの壁がある

2018年1月から税制改正によって、壁の金額がいくらか変わってきます。

この記事は2017年6月現在のものを書きます。

税制改正後の新しい制度については、長くなりそうなので別記事で書きたいと思います。

103万円の壁

基礎控除65万円を引いた所得38万円までは、配偶者控除が利用できます。

いわゆる「税制上の扶養」です。

稼ぎが多い方の所得から、配偶者控除として38万円を控除できます。

 

この103万円を超えた配偶者は、所得額によって段階的に分けられた控除を受けることができます。

これが『配偶者特別控除』です。

この『配偶者特別控除』にも上限があって、所得76万円(つまり給与141万円)未満まででした。

2018年からはこの金額も引き上げられるようです。

 

とはいえ、このふたつの控除は金額も少なく、免除される税金も数千円なので、そこまで神経質にならなくてもいいかと思います。

ただ、収入が多い配偶者側に「家族手当」が支給されている場合は、影響が大きくなります。

 

たいていの会社は「配偶者の収入が103万円まで」の場合に、家族手当を支給していることが多く、103万円より多くの収入ができてしまうと、毎月一定額の収入だった家族手当を打ち切られる可能性があります。

 

106万円の壁

これは影響のあった人が少なくて、あまり問題になっていませんが、条件に当てはまる場合は注意が必要です。

2016年10月にできてしまった新しい壁です。

《条件》

  1. 週20時間以上の労働時間
  2. 年収106万円(毎月8.8万円)以上
  3. 雇用契約期間が1年以上の見込み
  4. 従業員501人以上の企業(労使の合意があれば従業員501人未満でも加入可能)

※ただし、学生は除く

 

上記の条件に当てはまる短時間労働者は、社会保険への加入義務が発生します。

つまり、配偶者の扶養ではなく、自分で健康保険料と厚生年金保険料を支払う(控除される)ことになります。

 

4番目の従業員数が当てはまらない中小企業で働く短時間労働者には影響がなかったのですが、今後はこの従業員数が減る可能性も出てきました。

130万円の壁

年収が見込みで130万円を超えてしまうと、配偶者の社会保険上の扶養から出て、自身で社会保険料を払わないといけません。

この場合、

  • 第1号被保険者として、国民健康保険+国民年金に加入
  • 第2号被保険者として、会社の健康保険+厚生年金に加入

のどちらかを選択しなければなりません。

 

ひとつの会社で短時間勤務をしている場合は良いのですが、複数かけもちで短時間勤務をしている場合は、第2号被保険者になることが難しいです。

 

第1号被保険者となった場合、国民健康保険と国民年金保険料で毎月2万円以上必要となってしまいます。

年間にすると約25万円の負担です。

このため、年収は130万円までに抑えるか、160万円以上を目指した方がお得だと言われています。

どれがいちばんお得なの?

「で、結局どう働くのがいちばんお得なの?」

そう思いますよね(^^;

 

これは本当に人それぞれなので、一概に「これがいちばんお得!」とは言えないんです。

 

子どもがいるから家族の時間を大事にしたい、と思う人は、収入が多少減っても子どもといる時間を確保することがメリットですし、子どもがいるからこそお金が必要で働く時間は仕方がないと考える人もいるでしょう。

近所に助けてもらえる手(祖父や祖母、ヘルパーさん)があるかどうかでも違ってきます。

 

税金や各種保険料は、調べれば「だいたいこのくらいの金額」というのはわかります。

就職・転職する場合、ある程度算出しておくといいかもしれませんね。